2026/03/03 13:52

皆さま、こんにちは。


ミルグランの片吉です。



南フランス・ラングドックの名門「ローランス・ド・ヴェイラック」での試飲エピソード。



実は、あの日私たちが探していたのは「美味しいシャルドネ」だけでした。



無事に理想のシャルドネに出会い「これでよし!」と思っていたのに、造り手のムレ氏に勧められるがまま赤ワイン3種(ピノ・ノワール、メルロー・カベルネ、シラー)を試飲し、すべてに「美味しい」と納得させられてしまった私。



完全にムレ氏のペースに乗せられてしまったわけですが、彼もすっかり喜んでご機嫌になり、「じゃあ、白に戻ってこれも味わってみて欲しい!」と出してきたのが、この「ソーヴィニヨン・ブラン」でした。



1. 南仏でソーヴィニヨン・ブラン?「なんで?」という先入観



「赤ワインでもう充分なのにまた白に戻るのか…」とまたやや憂鬱に思いつつ、白ワインを差し出されました。


正直なところ、出されたボトルを見て私は頭の中にハテナが浮かびました。


「南フランスでソーヴィニヨン・ブランって、全然ピンとこないな……」


そもそも南仏は、複数のブドウをブレンドしてワインを造るのが主流の地域です。


それなのに、彼らは(メルロー・カベルネを除いて)シャルドネもピノもシラーも、すべて「単一品種」でワインを造っています。


現地では大変珍しいやり方です。



しかも白ワイン自体が珍しいわけで、加えて単一品種。


「なんでわざわざ?」と不思議に思いながら話を聞くと、ムレ氏のワイン造りの先頭には「アペラシオン(原産地のルール)にとらわれず、純粋に美味しいワインを造る。


品種の良さを最大限に形にする」という強い信念がありました。


とは言え、南仏の暖かい気候で造るソーヴィニヨン・ブランです。


「どうせ、南仏特有の果実味が強すぎて、大したことないだろう……」と、大変失礼ながらも高を括っていたのが、私の第一印象でした。



2. ど真ん中を綺麗に射抜かれた「あ!」という驚き



そして、グラスに口をつけた瞬間。


「……あ!」


思わず声が出そうになりました。 


本当に、ブドウ品種の特徴を綺麗に表現した香りと味わいだったのです


グレープフルーツやレモンのようなフレッシュな柑橘の香り


拍子抜けするくらいにクセや尖った部分がなく、ど真ん中を綺麗に射抜いたようなピュアな味わいでした。


私が懸念していた「南仏特有の果実味の強すぎる印象」は全くなく、思いのほかキレのある酸味がしっかりとあります 。 


その秘密は、気温が一番下がる深夜から夜明け前にかけて収穫を行う「ナイト・ハーベスト」によるもの


さらに、牡蠣の名産地「トー湖」に近い畑のミネラルが、心地よい塩味となって全体を引き締めていました



3. 「やられたなぁ、これは…」



「これ、料理との相性が絶対に間違いないわ……」 生の魚介類や春の蛤(はまぐり)、山菜の天ぷらといった和食の情景が、パッと頭に浮かびました


またまた私は、「うん!」と首を縦に振ってしまいました。


やられたなぁ、これは……。


シャルドネだけのつもりだったのに……。


結局、シャルドネ1本のつもりが、赤3本、そしてこのソーヴィニヨン・ブランを含めた「5種類」を買い付けることになったのです。



4. 結びに代えて



でも、現地に足を運び、「どうせ」という先入観をひっくり返されるこの痛快な出会いこそが、ワイン探しの醍醐味です。


品種の個性を真っ直ぐに表現した、ムレ氏渾身のソーヴィニヨン・ブラン。


和食やシーフード料理に合わせて、ぜひこの「ど真ん中の美味しさ」を味わってみてください。


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