2026/03/03 15:13

皆さま、こんにちは。


ミルグランの片吉です。


南仏の名門「ローランス・ド・ヴェイラック」での試飲エピソード。


シャルドネを探しに行ったはずが、赤3種(ピノ・ノワール、メルロー・カベルネ、シラー)とソーヴィニヨン・ブランの計5本に完全に惚れ込んでしまったお話をしてきました。


「これで本当に終わりだろう」と思っていた私に、ムレ氏がニヤリと笑って最後に出してきたのが、白ワイン「ヴィオニエ」でした。



1. 「香水」のような圧倒的なアロマにビビった白



グラスに注がれた瞬間、私は思わず「わぁ!」と顔をグラスから遠ざけました。 


熟したアプリコットや白桃、そして白い花を思わせる、甘美で官能的な香りが爆発するように広がったのです


よく「香水のような」と形容されるヴィオニエですが、まさにその言葉通りの圧倒的なボリューム感でした。


味わいも、ヴィオニエ特有の豊かな果実味とまろやかなコクがあり、非常に素晴らしい仕上がりでした


しかし、私は悩んだ末に「このヴィオニエだけは、今回は輸入を見送る」という決断を下しました。


当時の日本市場において、ヴィオニエ100%のワインに巡り合うチャンスはほとんどありませんでした。


この素晴らしすぎるくらいに強い香りは、日本の食卓では「何だこの白ワインは!?」と、良い意味でも悪い意味でも驚かれすぎてしまう(浮いてしまう)のではないか……と、少しビビってしまったのです。



2. 猛暑と「白ワイン慣れ」がもたらした転機



それから2〜3年が経過した、2022年頃のことです。


ローランス・ド・ヴェイラックの他のワイン(赤3・白2)は日本のお客様に大変ご好評をいただいていましたが、日本は年々猛暑日が当たり前になり、白ワインの需要が急激に高まっていました。


同時に、お客様の中で「いつものシャルドネやソーヴィニヨン・ブランには、少し飽きが来ているな」という空気を感じるようになりました


白ワインにすっかり慣れ親しみ、新しい味わいを探している方が増えてきたのです。



「……今なら、あのヴィオニエの強烈な個性が、絶対に喜ばれるはずだ」



私はそういえばと思い返し、あの時見送ったヴィオニエをついに日本へ呼び寄せることにしました。


3. 「まさに香水だね!」お客様の反応と、見事な伏線回収


正直不安ではありましたが、実際に販売を開始すると、私の心配は完全に杞憂に終わりました。


百貨店のワイン催事で初めて出展させた際は、


「ヴィオニエって聞いたことはあったけど、試したことなかったんだよね」 「香水のようなって書いてあったけど、まさにそうだね!すごく美味しい」との声。


多数ブース出展がある中で、ヴィオニエの新たな味わいに好評を頂き、数百アイテム出品のなかでも上位10%の本数実績を残すことになりました。


お客様からは、その味わいの濃さと香りの華やかさに驚きと喜びの声を多数いただきました。 




香りが強いだけでなく、夜明け前の極低温収穫(ナイト・ハーベスト)によるクリーンな酸が全体を美しく引き締めているため 、決して重たすぎず、気品のあるエレガントな余韻にまとまっていたからです。



4. 結びにかえて



こうして振り返ってみると……。


「シャルドネだけ」を探しに行ったはずの私は、数年という時間をかけて、最終的にローランス・ド・ヴェイラックの【赤3種・白3種】の全6種をすべて輸入することになってしまいました。


あの日、最後にヴィオニエを飲ませて私の記憶に強烈な香りを植え付けたムレ氏。 


完全に、彼の術中にはまってしまいましたね(笑)。


いつもの白ワインから少し気分を変えたい時、食卓に華を添えたい時に。 


私が一度はビビり、そして最終的に降伏した魅惑の白「ヴィオニエ」を、ぜひ一度ご体感ください。


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