2026/03/05 10:16
皆さま、こんにちは。
ミルグランの片吉です。
本日は、私たちがフランスの現地で出会い、心から惚れ込んだ特別なシャンパーニュ「ローラン・シャルリエ」のお話をさせてください。
シャンパーニュ地方の中心地ランスから南へ約10km。
モンターニュ・ド・ランスの北側に位置する1級(プルミエ・クリュ)のヴィルドマンジュ村に、彼らの本拠地はあります。
私がこのシャンパーニュを知ったきっかけは、ある方からの紹介でした。
「こんなかわいいラベルのシャンパーニュがあるんだけど、どう?」
見せられたボトルの写真に、私はぱっと見で「これ、可愛いわ。いいね。一度飲んでみたいし、すごく興味がある」と惹きつけられました。
紹介者からは、こんな話も聞いていました。
「ここは少量生産で、通常の流通経路には乗らないんだ。代々受け継がれてきた個人客に直接販売して、自分たちで配達までしている。今時珍しい商売をしている生産者なんだよ」
「でも、今の当主は世界中でワイン造りの修行をしてきて、自分の家のシャンパーニュを海外でも紹介したいという想いが募っているんだ。元々少量生産だし、最低購入本数とかもないから、見るだけ見てみないか?」
その言葉に背中を押され、私は実際にフランスの現地ワイナリーへ訪問することになったのです。
1. 訪問してびっくり!「小規模」のはずが…?
「昔ながらの小さな家族経営」というイメージを抱いて現地に到着した私は、案内された醸造施設を見て本当にびっくりしました。
そこにあったのは、大手メゾンと何ら遜色ないほどの大規模な醸造施設だったのです。衛生管理も隅々まで行き届いており、非常に清潔感があります。
私はたまらず尋ねました。
「不思議なギャップなんですが……小規模な家族経営だと聞いていたのに、あり得ないくらい大きい施設ですよね? どういうことですか?」
すると、驚きの事実が返ってきました。
実はこの施設、ヴィルドマンジュ村をはじめとした小規模生産者たちが共同出資して建てた「協同組合」の醸造センターだったのです。
個人単位では揃えられないような最新鋭の設備を共同で持つことで、トップクラスの生産者と変わらない、安定した極上のシャンパーニュを造る環境を作り上げていました。
2. ピュアな果汁だけを搾る「グラビティフロー」
さらに驚かされたのは、その徹底した品質管理の仕組みです。
この醸造施設は「グラビティフロー(重力移動)」という設計を取り入れています。
建屋の上階に集められたブドウは、人間の手やポンプを使わず、自然の重力だけで下の階の圧搾機へと落とされます。
そして、ここからが最大のポイント。
圧搾機は昔ながらの上から押しつぶすプレスではなく、極めて低い空気圧を使って優しくジュースを絞り出す最新の仕組みになっていました。
ブドウに余計な負荷が一切かからないため、皮が破れて渋みが出ることなく、本当にピュアで純度の高いジュース(一番搾り)だけが採れるのです。
そのジュースは、さらに下の階にあるタンクへと自然に落とされ、静かに発酵されます。
すべてにおいてブドウにストレスをかけない仕組みが貫かれているからこそ、えぐみや不安定な味がない、最高に美味しい仕上がりになる。
しかも、ローラン・シャルリエの当主たちは、この協同組合をまとめるトップ(醸造責任者や会長)も務めているというのです。
「なるほど。規模は小さくとも、間違いない品質を本気で追求しているんだな」と、深く感銘を受けました。
3. 試飲での「あれ?」という疑問と、驚きの結末
施設を紹介され、メゾンに戻っていよいよ試飲の時間を迎えました。
そこで開けられた1本のボトル。
しかし、開けた瞬間に「あれ???」と疑問が浮かびました。
いわゆるシャンパーニュでイメージするような、泡がもこもこと溢れ出る勢いが全くありません。
しかも、開栓時の「ポン!」という威勢の良い音もほとんどなく、グラスに注がれてからもシュワシュワとした躍動感があまりないのです。
「これ、本当にシャンパーニュ…だよね?」と内心戸惑いながら、グラスが整うのを待ちました。
「さあ、どうぞ」と勧められ、一口含んでみて……。
「……なるほど……。」
この「……」の間に、絶妙なニュアンスを感じる味わいのすべてがありました。
見た目からは泡がそこまで上がらず、シャンパーニュと思わせる雰囲気が感じられなかったのですが、口に入れた瞬間、きめ細やかな泡がふわふわとクリームのように広がるのです。
炭酸の刺すような印象は一切なく、ひたすらに上品で柔らかな口当たり。
そして、シャンパーニュらしいクロワッサンや焼き立てパンのような香ばしい香りと酸味。
それらが完璧なバランスで織り成され、上品さを感じる余韻へと続きます。口の中で横に広がる酸味が滑らかで、とても立体的です。
派手さはないけれど、じわりじわりと「これは非常に仕上がりの良いシャンパーニュだ」という実感が込み上げてきました。
あの最新設備でブドウに負荷をかけずにピュアな果汁だけを搾り出しているからこそ、この雑味のないクリーミーな質感が生まれるのだと、完全に線が繋がった瞬間でした。
4. 「生まれて初めてのシャンパーニュ」にしてほしい。輸入の決め手
今までの私の経験上、人生で初めて飲んだお酒の印象って、最後まで記憶に残るものだと思っています。
例えばビールなら、「うわ、苦い。大人はこんなものを喜んで飲んでいるのか?!」というのが率直な感想ですよね。
それが「美味しい」に変わるまでには、それなりの時間を要します。
本当は美味しく感じていないのに、「大人のお付き合い」として無理をして飲んでいた時期もありました。
実は、シャンパーニュでも同じ経験をしています。
私が初めて飲んだ大手メーカーのシャンパーニュの率直な感想は、「うわ、辛い! しかも炭酸ジュースと違って、泡が一気に口の中で暴れ回って…」と、口の中が大変なことになった記憶があります。
だからこそ、現地でこのシャンパーニュを試飲した際、「あれ、あれ???」と過去の記憶とは全く違う印象を持ったのです。
味わいの絶妙なバランス、そして泡のきめ細やかな上品さ。
「もし、『生まれて初めてシャンパーニュを飲みます!』という方がこれに出会ったら、きっと最初から、そしてずっとシャンパーニュを好きでいてくれるんじゃないかな」。
「こういうシャンパーニュを、日本の皆さまに体験してほしい」。
試飲を終える頃にはその想いが強く募り、ローラン・シャルリエを輸入することを決意しました。
さっそく先方に「数量をたくさん売るのではなく、じっくりとファンを作っていくことに重きを置きたい」という私の考えを伝えたところ、「それでいいですよ。長くご紹介していきましょう」と深く納得していただき、無事に輸入できることになりました。
彼ら自身が、フランス国内の個人のお客様約3,000人に直接お届けしてファンを大切にしているスタイルだからこそ、私の想いもすんなりと理解してくれたのだと思います
5. ラベルと味わいが見事につながる、愛の物語
私が一目で惹きつけられた「ブリュット・プルミエ・クリュ」のボトル。夜のエッフェル塔と1台の車の可愛らしいラベルには、ある秘密が隠されています。
現当主の祖父母が、エッフェル塔の下でのドライブ中にプロポーズをし、見事想いが叶った……という「実話」がモチーフになっているのです。
後々になってふと思ったのですが、これだけロマンチックな愛の物語が描かれたラベルなのに、もし中身が「酸味が鋭くキレッキレのシャンパーニュ」だったとしたら……なんだかつじつまが合わないですよね(笑)。
このシャンパーニュが持つ全体のバランスの良さ、口当たりの上品さ、そしてキメの細やかな泡。それらが織りなす「あったかい雰囲気」があるからこそ、この温もりあふれるエッフェル塔のラベルが生まれたのは、必然だったのかもしれません。
ラベルの持つ優しい空気感と、グラスの中の味わいが、見事なまでにつながっている。試飲を終えて、心からそう納得できるシャンパーニュでした。
大切な人との記念日や、心からの祝福を伝えたい瞬間に。
私たちが現地で確信した「幸せを呼ぶシャンパーニュ」が、皆さまの特別な日を優しく彩ることを願っています。
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