2026/03/18 17:51

皆さま、こんにちは。


ミルグランの片吉です。


これまで4回にわたり、フランス出張で出会ったシャンパーニュ「ローラン・シャルリエ」の試飲エピソードをお届けしてまいりました。


 本日は、その出張の「後日談」となる、ちょっと特別なお話をさせてください。


メゾンでの素晴らしい試飲を終えて帰ろうとした時のこと。 


当主が「日本に帰ったら、私たちのもう一つの顔を楽しんでください」と、1本のボトルをお土産に持たせてくれたんです。


それが、今回ご紹介する「ブラン・ド・ブラン」でした。



■ 透明なボトルに込められた「バカラグラス」の美学



日本へ無事に帰国し、約1週間が経ったある日のこと。 


出張の荷解きもすっかり終わり、ふと現地の情景を思い出しながら、いただいたボトルを手に取りました。


手渡されたそのボトルは、シャンパーニュとしては少し珍しい、中身が透き通って見える「透明なガラスボトル」でした。 


なぜ透明なのか。当主は手渡してくれた際、まっすぐな眼差しでこう語っていました。


「このブラン・ド・ブランでは、バカラグラスのようなキラキラとした透明感と、一本筋の通った酸味を純粋に表現したかったんだよ」と。


実はボトルを開ける前、私は期待と一緒に少し不思議な感覚を抱いていました。 


というのも、彼らの本拠地である1級ヴィルドマンジュ村は、黒ブドウ「ムニエ」の聖地。


これまで現地で試飲したキュヴェも、すべて黒ブドウのふっくらとした優しさや力強さがベースにあるものばかりでした。


なのに、このお土産は「シャルドネ(白ブドウ)100%」。


黒ブドウのスペシャリストが、透明なボトルに込めた純粋な白ブドウの表現とは、一体どんな味わいなのか。


ワクワクしながら、静かにコルクを抜きました。



■ 苦手意識をふわりと解いてくれた、綺麗なバランス



グラスに注ぐと、当主の言葉通り、淡い黄金色の中に繊細な泡がキラキラと宝石のように立ち昇ります。 


香りは、搾りたてのレモンやライムに、白い花、そしてチョークのような清々しいミネラル香がふわりと広がりました。


ここでお恥ずかしい話を少しだけ。 


正直に申し上げますと、私自身、これまでは「ブラン・ド・ブラン」というスタイルに少し苦手意識を持っていたんです。


シャルドネ特有の酸味が前面に出すぎていると、どうしても第一印象で「酸っぱい!」と感じてしまうことが多くて……。


個人的にシャンパーニュを選ぶ時は、何となくふくよかな黒ブドウ主体のものを手に取ることが多かったんですね。


でも、このブラン・ド・ブランを一口飲んで、その綺麗な「透明感」と見事なバランスにハッとさせられました。


これまでのキュヴェにあった「ふんわりとした優しいふくよかさ」とは少し違い、口に含んだ瞬間にスッと真っ直ぐ伸びるような「ミネラル感」が走ります。


まさに造り手が言っていた「一本芯の通った気品」です。


きめ細やかな泡立ちと一緒にクリスピーな酸が心地よく弾けるのですが、決して酸味一辺倒にはなりません。


ドサージュ(糖分調整)による優しい厚みと滑らかな泡が全体をとても上品にまとめてくれているので、尖った酸っぱさを感じることなく、素直に「美味しい」と楽しめる味わいに仕上がっていました。


最後はレモンピールのような清涼感とともに、スッと真っ直ぐで美しい余韻が長く続いていきます。



■ 想像が膨らむ、和食やお鮨との相性



黒ブドウの名手が、白ブドウでもこれほど綺麗なシャンパーニュを造れるのかと、改めて彼らの技術の高さに感心してしまいました。 


そして、いつもの癖で「このワインにはどんな料理が合うだろう?」と想像を巡らせてしまいます。


この瑞々しい酸と硬質なミネラルが描く凛とした輪郭は、繊細な素材の味を活かす和食にぴったりです。


例えば、揚げたての天ぷらをシンプルにお塩でいただく時。


あるいは、白身魚やイカのお鮨に、お醤油ではなく「お塩とすだち」を軽く搾っていただく場面。 


そんな繊細な和食の旨味に、このシャンパーニュの酸とミネラルが綺麗に寄り添って、口の中をさっぱりと洗い流してくれる光景が鮮明に浮かびました。


もちろん、フレンチの美しい魚介料理とも素晴らしい相性を魅せてくれるはずです。


コースの始まりや、質の高い前菜に合わせる最初の1本として、とても頼もしい存在になってくれます。



■ グラスの中で語りかけるエレガンス



「ムニエの名手が造る、極少生産のシャルドネ」という、知る人ぞ知るバックストーリー。


透明なボトルから注がれるその一杯は、決して派手すぎず、グラスの中で静かに純粋な美しさを語りかけてくれます。 


ちょっと背伸びをしたい特別なお食事の席や、大切な方への贈り物として。


当主からの粋なお土産が教えてくれた、バカラグラスのように光り輝くエレガンスを、ぜひ皆さまもゆっくりと楽しんでみてください。


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